百里のつぶやき

看護師として、セラピストとして日々の気づき

患者さんから学んだ事 Part2

最後まで前向きに生きる!

 

とんでも無く難しい事

 

でもそれをやり遂げた1人の患者さんが居た。

今でも尊敬の気持ちでいっぱい!

そんな風に生きられたら、そんな風に最後の人生を精一杯生きられたら…人生の先輩として目標にしたい人。

 

一級建築士として70歳代まで現役で働き、現役を退いてからは趣味に邁進。

自分で書いた漢詩を詩吟で唄う。

 

「何歳だから無理なんて事は無いんだよ。妻だって60過ぎて絵を習い始めた。だからやりたい事はいつから始めても良いんだよ。」って柔らかい笑顔でアドバイスをくださる。

素敵な奥様も自分の好きな事を楽しんでおられる。

60歳過ぎて始めたのに個展までする程の腕前に!

 

痛みのコントロールがつき、家で過ごしたいからと一旦退院された。

数週間後に再入院された時には体力は落ちてストレッチャー(寝台車)で入院。

 

それでも趣味の詩吟の教室に行きたいと希望される。

家族は勿論、スタッフも本当に行けるのか⁉︎と心配でいっぱい。でも本人の意志は固く、娘さんのサポートもあり、フラつきながらも何とか外出出来た。

帰った時はグッタリした様子でハラハラしたが、後で「行って良かった〜。皆が歓迎してくれた。唄う事は出来んかったけど、皆んなが唄ってるのを聴いてるだけで楽しかった。それに先生が僕のことを褒めてくれたんだよ〜。」笑顔で報告してくださる。

 

数日後にお誕生日を迎え、家族とスタッフで患者さんを囲んでお祝い。

ささやかなお祝いなのに大変喜んで、お礼にと詩吟を披露してくださる。

体力がない無く、出ない声で一生懸命に唄ってくださる姿に涙が出た。

 

それから数日後に永眠。

 

本当に、本当にありがとうございました。

 

貴方のように生きて行く自信は無いですが、でも私の目標、心の師匠です。